大阪大学大学院 理学研究科 宇宙地球科学専攻 惑星内部物質学研究室 High Pressure Material Physics Group, Osaka Univ.
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研究内容 Research Topics

もくじ

 現在次のようなテーマを中心に研究を進めています。リンクをクリックするとジャンプします。

地球・惑星の物質の相転移と物性 Phase relations and physical properties of Earth and Planetary materials

海王星   地球型惑星の深部は珪酸塩や酸化物を主とする鉱物で構成されており、中心には金属の核が有ります。一方、巨大惑星である土星や木星では水素やヘリウムが主成分となっており、太陽系外縁部を構成する海王星や天王星では各種の氷が重要な構成物質となります。これらの物質の高温・高圧下での構造相転移や電子状態・スピン状態変化、他の鉱物との反応関係を調べることにより、地球や惑星の基本的な深部構造と物性を研究します。

地球深部の構造とダイナミクス Structure and dynamics of the Earth's deep interior

火山  マントル深部や地球核は地球内部研究のフロンティアですが、実験的には最も難易度の高い研究でもあります。現在の地球核に相当するメガバール領域に至る条件を実験室に再現し、各種その場観察実験や反応実験を行って核の構造と進化を研究します。また、地球最大の境界面である核-マントル境界では様々な不均質構造の観測と共に、物質や熱の輸送が予測されており、境界面の性質と反応を調べて深部ダイナミクスの起源を研究します。

地球・惑星の進化 Evolution of terrestrial planets

地球内部のモデルと残された研究課題  46億年前の地球はマグマに覆われた高温状態から始まったと考えられます。地球の表層から深部に至る様々な動的大規模現象は地球の熱的進化の結果であり、地球はその意味で現在も生きており進化しています。初期地球での核形成過程から、マントル物質の分化・階層化構造、そして未来の地球・惑星に進化していく様子に関し、再現実験・モデル実験を通して物質科学的の考察を行います。
初期地球想像図

レーザー誘起衝撃波による高圧物性研究

激光  大阪大学吹田キャンパスには高強度レーザーを用いた研究ができるレーザーエネルギー学研究センターがあります。この核融合をも実現する大型高強度レーザーを用いることによって、地球・惑星内部のより超高圧・超高温の条件が実験室で再現可能となりました。レーザー誘起衝撃波やレーザー生成高速飛翔体の衝突を使った高圧物性研究を行うことによって、惑星の深々部の構造の解明や惑星形成過程に関して実験室での再現と考察を行います。

極限環境条件の実現と各種測定法の開発 Development of novel measurement techniques at extreme conditions

KEKでの実験装置  地球・惑星の深部条件を安定に実現するための基礎技術である高温高圧発生法として、本研究室ではダイヤモンドアンビルセル(静的高圧力発生)とレーザー誘起衝撃圧縮法(動的高圧力発生)の二つの方法を用いています。これらの手法はそれぞれ長所と短所があり、現在もより安定した高温高圧発生を目指して改良が続けられています。また、実現された極端条件下におけるX線回折・散乱、光学分光、電気・磁気測定など、各種その場観察測定法の開発を行っています。